南風原町の心療内科|沖縄|こころのクリニックさくら

当院の紹介・理念

当院では主に不眠、不安、うつ症状、パニック症状、思春期の問題、更年期の問題(男女)など心と体に関する問題について診療を行っております。

親切丁寧な診療を行い、患者さんが健全な心理状態で、良好な社会適応を得られるよう支援してゆきたいと考えています。就労どの社会復帰を支援したいと考えています。医原性に社会適応を悪化させることのないよう、偽善とならぬよう真面目にやってゆきたいと考えています。回復し、元気な状態であるにもかかわらず、長期にわたって「就労不能の状態」と診断することで、患者さんの健全な心理状態や社会適応を損なうこともしてはならないと考えています。

上記についての補足をしますが、心療内科・精神科に通院する患者さんは、軽症から重症の方さまざまであり、病気の種類も違います。また、病気というよりは人として正常の反応であろうと思えるような方も通院しています。私が問題を感じるのは、医師が、軽症または人として正常の反応であろうと思えるような方を病気であると診断し、就労不能であるとの診断書を作成し、障害年金や生活保護受給がなされている現状があることです。統合失調症圏で難治性の幻覚妄想状態であり、現実検討能力の低下や、意欲低下などの陰性症状も認め、他人との交流も乏しくひきこもりがちであり日常生活にも支障をきたすような方が就労不能と診断されたり、そのような方が障害年金や生活保護を受給するようなことを問題視しているのではありません。きわめて妥当であると思います。例えば、精神病圏ではなく、主訴としては、気持ちの落ち込みや意欲低下を訴えるものの、日常生活も特に問題なく、就労もできる上に、友人や異性との交際も何ら支障もないような、元気な方に医師の診断に基づいて障害年金受給がなされたり、楽しいことは元気にできるが、働きたくないというような方に生活保護が受給されることを問題視しているのです。傷病手当も同様です。

具体的にいうと、沖縄に親類縁者がいるわけでもないのに内地から沖縄に引っ越してきて、役所関連の手続きを手際よく済ませ、「うつなので働けない」と生活保護を申請するケースがあったりします。そのような方は就労不能の診断書を作成してもらうことを目的に心療内科・精神科を受診します。そして、これまで自身がいかに「うつ」の症状で苦しんできたかを理路整然と主張します。さて、ここで、働けないくらいに「うつ」の症状が重いような方が、見知らぬ土地に引っ越すという意欲があること、役所関連の手続きを手際よく済ませ、自らの症状を理路整然と訴え、就労不能との診断書の要求をはっきり述べるようなことができるのであろうか?との疑問が生じます。普通に考えてできません。そのような場合、私は就労不能との診断書は当然、作成しませんし、就労を促したり、就労できないくらいの症状があるのであれば親類縁者のいる内地に戻ることをすすめます。そういう方は、おそらく就労不能との診断書を書いてくれる医療機関を求めて転々とするのかもしれません。このようなケースは多いわけではありませんが、そのような方に就労不能との診断書が作成され、障害年金や生活保護受給がなされるようなら、真面目に頑張っている方からすれば、「あんなに元気なのになんで障害者なの?」なんて思うこともあるでしょう。本当に病気で苦しんで働けないために、障害年金や生活保護を受給している方が、そういう精神医療を利用して楽をしようとしているような方と同様にみられ、偏見をもたれてしまうことを私は危惧しています。生活保護を受給し、就労の促しには応じず、時にクレーマーと化し、義務は果たさないが権利ばかりを過剰に主張するような者と、本当に病気などで苦しんでおり、社会が守るべき生活保護を受けている人が混同されてはならないと思うのです。

そのような方を安易に就労不能と診断して、そのような方から「先生は優しい、先生のおかげで年金もらえました、生活保護きまりました」なんて言われたり、差し入れをもらったりして嬉しく感じるようなことがあるとすれば、偽善であると断言します。私は生活保護を受給している患者さんが、就労可能なくらいの病状ならば就労を促しますが、そういう場合すぐに転院を希望したり、時に非難されることさえもあります。開業医の立場からすれば、患者さんの要求に応じたほうが、患者さんの評判もよくなるのかもしれません。インターネットや噂などで良い書き込みなどもなされるのかもしれません。逆の対応したら、誹謗中傷の対象となることもありえます。しかし、偽善とならぬよう真面目にやってゆきたいと考えています。就労や社会復帰を微力ながらも支援してゆきたいと考えています。

個人的には生活保護受給にあたっての就労可否の判断は公立病院の医師がすることが望ましいと考えます。開業医が判断する場合には、就労不能と判断した医療機関とは別の医療機関で治療を受けるなどの制度も必要ではないかと考えます。生活保護を受給しつづけるためには、医師の『就労不能』との太鼓判を押してもらうことが必要なため、病院に通い続け、開業医もその患者さんを就労不能と診断し、通院しつづけてもらう(医師にとって収益増、患者さんにとっての生活保護受給の保障という利害の一致)というようなことはあってはならないと思います。

真面目に働くよりも生活保護を受けた方が経済的に楽である、長年働いて税金も納めてきた人が定年退職後に支給される年金より生活保護の受給額が高い、親と子の数人で生活保護を受給していた場合、さまざまな手当てを含めて、手取り30万円前後・医療費無料・税金なし・理由があれば車両の保有も認められる・パチンコ嗜好品への制限なし・その他にも優遇ありなど、真面目に仕事をしている方が馬鹿をみるような生活保護制度自体に問題があるように思われます。

誤解があってはならないのですが、本当に生活保護が必要な方は社会が守るべきだと思います。生活保護を受けながらも、真面目に就労し、不足分を生活保護費を受給している方もいます。統合失調症やうつ病になり働けなくなり生活保護を受給してはいますが、回復して働けるようになりたい・自立したいと前向きに治療を受けている方もいます。そのような方を絶対に差別してはならないと思います。問題は、生活保護制度を悪用している者がいることと、それに加担する医療者がいることです。

義務(勤労、納税)は果たそうとはしないにもかかわらず、過剰に権利を主張するようなことはしてはならない、義務を果たしてこその権利であることなどを教える教育、社会の風潮も重要だと思います。

心のクリニックさくら 院長 上原充